久留米の“うまい”を巡る。久留米ソウルフード物語
とんこつラーメン発祥の地として全国にその名を知られる久留米市は、実はやきとり文化も深く根付いた“食のまち”。まちの中心部に位置する「日吉市場」は、戦後の闇市が起源だといわれ、今もなお地元の人々の台所として親しまれています。長年受け継がれてきた食の歴史や人々の営みに触れながら、久留米ならではの多彩で奥深い“うまい”を巡ります。
大栄ラーメン|世代を超えて親しまれる味自慢のラーメン
久留米といえば「とんこつラーメン」の発祥地として知られ、味自慢のラーメン店がまちなかに軒を連ねています。その中でも、昭和48年(1973年)創業以来、独自の製法で久留米ラーメンの伝統を守り続ける名店「大栄ラーメン」は外せません。
二代目の大将が守る味は、毎日継ぎ足される豚骨スープのまろやかでさっぱりとした風味が特徴。カリカリに揚げた背脂の香ばしさが加わり、最後の一口まで飽きずに楽しめます。
訪れた際にぜひ味わいたい、人気のサイドメニューも豊富に揃っています。脂控えめのホルモンは、噛むほどに旨味が広がる一品で、これを目当てに訪れるお客さんも多いそう。さらに、「大栄ラーメン」は地元の常連客に長く愛されているのも特徴です。店主が店を継いだ当時、子どもだったお客さんが大人になり、自分の子どもを連れて再訪する姿も見られるなど、世代を超えて親しまれる温かいお店です。
■大栄ラーメン 本店
住所:福岡県久留米市東町30-25 馬場ビル 1F
電話番号:0942-39-3977
営業時間:10:00~15:00(LO14:45)、17:00~00:00(LO 23:45)
アクセス情報:西鉄天神大牟田線「西鉄久留米駅」から徒歩約10分
駐車場:なし
焼とり 鉄砲 久留米本店|地元民に愛される久留米ならではの焼とり屋
昭和54年(1979年)に創業し、長年にわたり地元の人々に親しまれてきた焼き鳥店「焼とり鉄砲」。香ばしく焼き上げる串と親しみやすい雰囲気で支持を集め、現在では久留米市内に4店舗を展開する、地域に根付いた人気店です。
「焼とり鉄砲」を訪れたら注文したいのが、店の看板メニューでもある巻物串。定番のアスパラ巻きをはじめ、エノキ巻、しそ巻、ネギ巻、チーズ巻など、素材の旨みを引き立てる巻物串が揃います。
使用する食材は、地元で仕入れた新鮮なものを中心に厳選。串一本一本に合わせて、塩やタレを使い分けることで、それぞれの素材が持つ旨みを最大限に引き出しています。シンプルながらも丁寧な仕事が、長く愛され続ける味を支えています。
久留米の焼きとり文化を象徴する一品、「センポコ」をご存知でしょうか?センポコとは牛の大動脈を使った串焼きで、独特の弾力と歯ごたえを楽しめるのが特徴です。香ばしく焼き上げられることで旨みが増し、噛むほどに味わい深さが感じられます。久留米ならではの多様な焼きとり文化を体感できる、地元で人気の一品です。
■焼とり 鉄砲 久留米本店
住所:福岡県久留米市日吉町107-2
電話番号:0942-32-0338
営業時間:17:00~25:00(LO24:00)
定休日:なし(※年末年始はお問い合わせください)
アクセス情報:西鉄天神大牟田線「西鉄久留米駅」から徒歩約10分
駐車場:なし
日吉市場|昭和の面影残る路地空間
久留米の日吉市場(ひよしいちば) は、西鉄久留米駅周辺の中心部にある昭和レトロな雰囲気の飲食街・市場エリアです。かつての闇市が発展した場所とされ、戦後の暮らしの名残を感じられる街並みとして地元の人にも親しまれています。
焼き鳥や居酒屋、バーなど、気軽に楽しめる飲食店が集まっており、夜になると賑わいが一層高まるスポット。そんな中から2つのお店を紹介します。
1.つる屋|新鮮な馬肉を堪能、県外からのファンも訪れる店
歴史ある市場の一角で存在感を放つ馬肉専門店「つる屋」。かつて屋台で焼き鳥を提供していた店主が、この地に移ってから馬肉を扱い始めました。「つる屋」で提供する久留米産馬刺しは、生でも安全に味わえるのが特長。赤身やレバーをはじめ多彩な部位が揃い、SNSをきっかけに国内外の観光客も訪れます。地域に根ざし、子ども食堂の運営など人とのつながりも大切にする、温もりのある店です。
馬刺しの盛り合わせには、赤身、ふたごえ、ハツ刺し、レバ刺しの4種を贅沢に盛り込み、彩りも美しく食欲をそそります。それぞれ異なる食感や旨みを一度に味わえるのも魅力で、馬肉の奥深さを存分に楽しめる一皿です。
「さくら鍋」は馬肉のすき焼き。刺身でも食べられる肩ロースを、甘めの割り下でさっとしゃぶしゃぶするのが美味。火を通しすぎず、溶き卵で味わえば、やわらかな食感と旨みが広がります。まずは肉だけ、次に野菜とすき焼き風、締めは旨味たっぷりのうどんがおすすめです。
■つる屋
住所:福岡県久留米市日吉町26-23 日吉市場内
電話番号:0942-39-6768
営業時間:17:30〜23:00
定休日:月曜
アクセス情報:西鉄天神大牟田線「久留米駅」から徒歩約5分
駐車場:なし
2.だがしや まゑ|路地に佇む懐かしの駄菓子屋
「つる屋」の真向かいでひと際目を引くのは、昭和の香りが漂うレトロ駄菓子屋「だがしや まゑ」。築70年以上の木造建物を活かし、昔ながらの雰囲気を大切にした店内には、色とりどりの懐かしい駄菓子やおもちゃが可愛く店内に並びます。元々は卵屋だったという建物の歴史も感じられ、店内に一歩足を踏み入れるだけで、昭和の記憶と日吉市場ならではの温かみを感じながら、ゆったりとした時間を過ごせます。
お会計の際には、今ではあまり目にすることのないそろばんが使われています。手元でカチカチと弾くそろばんの音は、店内の昭和レトロな雰囲気にぴったりで、ただ買い物をするだけでなく、ちょっとしたタイムスリップ体験のような感覚を味わえます。ぜひ、昭和の空気を感じながら、懐かしいお菓子を手に日吉市場を歩いてみてください。
■だがしや まゑ
住所:福岡県久留米市日吉町26-11 日吉村内
電話番号:0942-39-6768(つる屋)
営業時間:平日15:00〜17:00頃
定休日:不定休
アクセス情報:西鉄天神大牟田線「久留米駅」から徒歩約5分
駐車場:なし
ラーメンの湯気、焼とりの香ばしい煙、市場の路地に灯るあかり。久留米の“うまい”は、味だけでなく、人のぬくもりや歴史とともに受け継がれてきました。一皿一串に込められた物語を感じながら、あなただけの久留米の味を見つけてみてください。
※掲載されている情報は2026年2月時点のものです。お出かけ前にはWebサイトや電話で最新情報をご確認ください。