焼物ファン必見!小石原焼と髙取焼の「東峰村」に食卓を彩る器を買いに行こう-1

焼物ファン必見!小石原焼と髙取焼の「東峰村」に食卓を彩る器を買いに行こう

焼物の里とも言われる「東峰村」には、日用雑器としても人気のある小石原焼と、茶陶を中心に400年以上もの歴史をもつ髙取焼の2種類の窯元が40以上も点在する珍しいエリア。遠方からも多くの観光客が器を買いに訪れるこのエリアを徹底解説します!


実用品としての美しさ「小石原焼」

小石原焼は1682年に福岡藩 3代目藩主が伊万里から陶工を招き窯場を開いたのが始まりです。当時は磁器を焼いていましたが、以前よりこの場所で茶陶を手がけていた髙取焼との交流により発展し、陶器が作られるようになりました。
民藝運動を主導した柳宗悦らに、観賞用としての美ではなく、実用品としての美しさ、「用の美の極致」として賞賛されたことから広く知れ渡り、近年では伝統的な技法を用いながらも、モダンであたたかく素朴のなかに上品さも備えもつデザインも生みだされ、食卓を彩る日常使いの生活雑貨として全国的に人気を博しています。


”綺麗さび”の世界を確立した「髙取焼」

福岡藩 初代藩主が陶磁器生産の先進国だった朝鮮より名陶工を招き開窯した髙取焼。1665年に二代目の八蔵貞明が、現在の東峰村に移窯し、明治維新まで福岡藩窯頭取の職務を務め、「綺麗さび」という、茶の湯の美意識を追及しました。
茶陶以外にも、酒器や花入、和食器など、微妙な調合で作られた釉薬を駆使して焼成され、陶器でありながら磁器のような薄さと軽さを併せ持つ気品に満ち溢れた作品が作られています。


車が必須!?東峰村へのアクセスは?

東峰村の窯元があるエリアまでは、福岡空港・博多エリアからは、高速道路を使えば車で約80分(大分自動車道 杷木IC下車)が最短コースですが、国道で「八木山(やきやま)バイパス」経由だと10~20分、高速より時間はかかりますが無料で比較的スムーズに行くことができます。
高速道路利用だと「鼓エリア」から、国道利用だと「道の駅エリア」から東峰村に到着します。※エリアの説明は後述します。
電車やバスを乗り継いで行くこともできますが、現地で窯元めぐりをすることを考えると小石原での交通手段も限られてしまうため、自家用車やレンタカーで訪れることをおすすめします。

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小石原エリアは意外と寒いので要注意!-1

小石原エリアは意外と寒いので要注意!

東峰村の窯元が多くある小石原は山岳地帯なので平地にくらべると、やや冷涼な気候なため、暖かい日でも羽織れる上着を持参しましょう。山地のため急な雨など天気が急変することもあるので、折り畳み傘などを車に入れておくと安心です。


3つのエリアを把握して効率的に窯元めぐり

窯元が多く集まるエリアは、大きくわけて3つのエリアから構成されています。
隣接し徒歩で移動できるエリアもありますが、遠いエリアだと徒歩で30分以上かかる場所もあります。それぞれの位置関係を把握し、駐車場をうまく利用しながら散策するのが小石原の窯元めぐりのポイントです!歩道が整備されていないところもあるので、車の往来には十分注意しましょう。
それでは、3つのエリアを深掘りして紹介していきます。


【道の駅エリア】迷ったならまずはここから

窯元がひしめくエリアの中心地にある「道の駅 小石原」と、道路を挟んで反対側にある「小石原焼中央共同展示場」。この2カ所に、ほぼ全ての窯元の器が展示されています。どこから行ってよいか迷ってしまうという方はまずここで気になる窯元を探してみましょう!もちろん、ここで購入もできるので時間がない人はこのエリアからのスタートをおすすめ。道の駅では、地元の野菜や特産物・加工品なども購入することができます。


道の駅の駐車場に車が置ければ、周辺の窯元へは徒歩で移動可能。15前後の窯元であれば、無理なく散策しながら見て回ることができます。道の駅を背に左に進む北のエリアにも数軒窯元がありますが、「小石原信号」より先の窯元へは少し距離があるため車をおすすめします。


【皿山エリア】小石原焼 発祥の地

小石原焼が生まれた場所といわれる皿山エリアへは、「道の駅 小石原」から車で約3分程度。歩いていくこともできますが、このエリアにある「小石原焼伝統産業会館」に車を移動させて散策するのもおすすめです。
伝統産業会館では絵付け体験や手びねり体験、ロクロ体験などの陶芸体験も可能。屋外にはのぼり窯も展示されています。有料(大人250円/高校・大学生200円/小・中学生150円)の展示室では、窯元の代表作やプロフィールなども見ることができます。


石畳や昔ながらの藁葺屋根の日本家屋、川の水流を利用して陶土を粉砕する唐臼(からうす)など、小石原焼の歴史を感じることができるエリアは徒歩での散策がぴったり。道幅が狭いところもあるので車の往来に注意しながら皿山を散策しましょう。


【鼓(つづみ)エリア】髙山焼宗家とカジュアルな小石原焼

鼓エリアには髙取焼宗家など歴史ある窯元や、若手陶芸家による伝統的な小石原焼を継承しながらも、新しい感性を吹き込んだカジュアルな窯元などが点在しています。「道の駅 小石原」を背に右手ヘ南下すると車で約5分程度で、このエリアに到着します。鼓エリアは、窯元が密集していないところもあるので、エリア内でも車の移動がおすすめです。


鼓エリアの南にある「つづみの里陶器ギャラリー」でもたくさんの窯元の作品を販売しています。高速道路(大分自動車道 杷木IC下車)を利用すると、鼓エリアから入るため、ここで気になる窯元をチェックしてから北上し、道の駅方面に向かうのも効率的です。


ランチはここで!小石原焼の器で楽しむ絶品グルメ

  • レストラン こだち

    レストラン こだち

    東峰村の野菜やお米を使った郷土料理などが楽しめる「道の駅 小石原」にあるレストラン。十穀うどんにサクサクフワフワのとり天が付いた「とり天とうどん定食」が人気。

    道の駅 小石原
  • 手打ち蕎麦 京や

    手打ち蕎麦 京や

    石臼挽きした蕎麦粉と宝珠山の岩屋湧水を使い手打ちする外一そば(蕎麦粉10につなぎ1)のお店。小鉢・山菜の煮物・汁物・ご飯・漬物などが付く蕎麦膳がおすすめです。

    手打ち蕎麦 京や
  • 山乃茶屋

    山乃茶屋

    九州北部豪雨(2017年)による閉店から6年。50年以上、地元の人からも愛されてきた祖母の味を守るために、お孫さんが再開した田舎蕎麦とうどんのお店。おにぎりやかしわめしとの相性も抜群です。

    山乃茶屋(GoogleMap)
  • kutsurogi +(くつろぎ)

    kutsurogi +(くつろぎ)

    小石原や朝倉産の新鮮野菜を使った薪窯ピッツァやパスタ、カレーなど店内調理、無化調にこだわったメニューをオリジナルの器で味わえる本格カフェ。天気の良い日はテラス席もおすすめです。

    kutsurogi +(くつろぎ)
  • やまめ山荘

    やまめ山荘

    江戸時代の古民家で、やまめ料理や山里鶏料理を味わえる完全予約制のお店。中でも「やまめのコース料理」は、塩焼き・甘露煮・刺身など、やまめを存分に堪能できます。

    ※現在、ご予約及びお問い合わせはお電話のみで承っております。
    TEL:0946-74-2728


【民陶むら祭】人気イベント!春と秋に開催される陶器祭

人口約2,000人の東峰村の一部の地域に、10万人もの陶芸ファンが押し寄せる「民陶むら祭」。春と秋の年に2回開催され、各窯元から祭りにあわせて窯出しされた陶器が通常価格の2割引きで販売されます。店頭にはアウトレット商品も並び、陶芸家と交流を交えながら掘り出し物を探す楽しみもあります。

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早い者勝ち!店頭にならぶ器も要チェック-1

早い者勝ち!店頭にならぶ器も要チェック

店頭に並ぶ、目立たない小さな傷や釉薬、模様のムラなどのアウトレット、注文品の残りやサンプル品、在庫処分や規格外品でも、ご自宅用なら問題無し!売り切り御免の早い者勝ちです。


【民陶むら祭】車で大渋滞!?駐車場の混雑ぐあいは?

民陶むら祭には全国からたくさんの人が訪れるため、小石原周辺は車で大混雑します。
大きな駐車場は3カ所あり、「道の駅 小石原」の駐車場は朝7時ごろには満車となります。次に皿山エリアにある「小石原焼伝統産業会館」の駐車場も昼ぐらいまでにはほぼ満車となると考えておきましょう。2つの駐車場の間にある「小石原グラウンド」も期間中は駐車場として開放されるので、このいずれかの駐車場に車を停めて、道の駅エリアと皿山エリアの窯元をめぐると効率的です。

鼓エリアは駐車スペースが少なく、窯元の間隔も広いため、駐車スペースが空くのを待つ車で渋滞することもあります。このエリアに関しては行き来するのではなく、行程の最初か最後に組み込むと良いでしょう。
早朝や14時以降は比較的車も少なくなるのでおすすめです!


【民陶むら祭】企画やグルメも目白押し!村を挙げての大陶器市

イベント期間中は、窯元の庭先でお団子や甘酒、だご汁(団子汁)などを販売していたり、キッチンカーなども出店しています。「小石原焼伝統産業会館」では、フリーカップ絵付体験、小石原焼小皿とおにぎりセット販売、「つづみの里陶器ギャラリー」では陶器の500円ガチャや、東峰村B級グルメの「鶏のハーブ焼き」の販売など楽しい美味しい企画も目白押しです。

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クレジットカードは使える?東峰村での決済方法-1

クレジットカードは使える?東峰村での決済方法

高額な商品を扱う窯元では一部、クレジットカードの利用はできますが、ほぼ現金のみの対応となります。また、PayPayや東峰村のデジタル地域通貨「とほっぴペイ」も一部では利用できますが、こちらも全ての窯元が対応してるわけではありません。
「民陶むら祭」では店頭での販売も多いため、基本的に現金しか使えないと思って準備していく方が安心してお買い物ができます。


窯元めぐりとあわせて訪れたい付近の観光スポット

  • 小石原の行者杉

    小石原の行者杉

    樹齢200~600年余を超える杉の巨木群。英彦山に入山する修験者たちが、ここで精進潔斎し、杉を折って献木した故事から、行者杉とよばれています。その中で最も大きな杉が「大王杉」。 幹周約830cm・樹高約55m・樹齢推定600年とされています。

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  • 竹の棚田 

    竹の棚田 

    県道が棚田の間を蛇行しながら縦走しており、点在している集落がのどかな田園風景を美しく見せます。「日本の棚田100選」の栄誉を受け、「竹地区の棚田及び岩屋神社などの山岳信仰遺跡群」が「美しい日本の歴史的風土100選/準100選」にも選定されています。

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