【サイクル福岡】ツール・ド・九州をもっと楽しもう! サイクルロードレース観戦ガイド-1

【サイクル福岡】ツール・ド・九州をもっと楽しもう! サイクルロードレース観戦ガイド

ヨーロッパで人気のスポーツ、サイクルロードレース。日本でも数々のレースが開催されていますが、その特徴や魅力は何か、どこに注目して見ればいいのか、よく分からない…という人も、まだまだ多いかもしれません。
そこで、10月6日(金)の「マイナビ ツール・ド・九州2023」開幕を前に、サイクルロードレースという競技の特性や、見どころを紹介します。


1. サイクルロードレースって何?

サイクルロードレースは、ロードバイクという高速のスポーツ自転車で一般公道を走り、フィニッシュラインへたどり着く早さを争う競技。町から町へと移動しながら、100km前後から最長で300kmほどの距離を一斉に走ります。6~7時間ノンストップで走り続けることもあるため、選手たちは水分補給や食事も走りながら行います。

特にヨーロッパで盛んな競技で、日本国内でも複数のレースが開催されています。今回初開催の「マイナビ ツール・ド・九州2023」もそのひとつ。UCI(国際自転車競技連合)のクラス1認定を受けた、ハイレベルな国際ロードレースなのです。


2. 個人戦×チーム戦の面白さ

最初にフィニッシュラインを切った1人が勝者となりますが、実はチームスポーツでもあるサイクルロードレース。プロのレースでは1チームあたり複数人が出走します(レースによって人数は異なる)。コースに適した特性を持ち、勝利を狙いにいく選手が「エース」。それ以外の選手は、エースを勝たせるためにサポートする「アシスト」と呼ばれます。

「アシスト」は、エースの体力消耗を防ぐために前を走って風よけとなったり、先頭に出て走るペースをコントロールしたり、集団内で有利な位置取りをしたり、飲食物をエースに渡したりと、さまざまな役割があります。
 


3. レースの種類は? 何を争うの?

レースの種類は大きく分けて「ワンデーレース」と「ステージレース」の2つがあります。一般公道(サーキットなどクローズドなコースもあり)を移動しながら走るため、上り区間が多い山岳コースや、平地区間が多い平坦コース、その組み合わせなど、開催地の地形によってコースの特性が大きく異なります。

・ワンデーレース
1日で完結し、最も早くフィニッシュした人が優勝というシンプルなレース

・ステージレース
複数のステージを数日かけて走り、ステージごとの勝利に加えて、各ステージのタイムを合計した総合タイムで個人総合優勝が決まるレース

・タイムトライアル
1人あるいはチームで走り、ゴールまでのタイムを競うレース

・クリテリウム
短い周回コースを複数周走るレース

「タイムトライアル」や「クリテリウム」が、「ワンデーレース」「ステージレース」の一部に組み込まれることもあります。
 

Column

小倉城クリテリウム-1

小倉城クリテリウム

「マイナビ ツール・ド・九州」初日の2023年10月6日(金)には、「小倉城クリテリウム」が開催されます。小倉城周辺の小周回コースによるタイムトライアルレースで、市街地開催のため、観戦しやすいレースです。

小倉城クリテリウム

4. 優勝争いだけじゃない! ポイントと特別賞

優勝争い以外にも、ぜひ注目してほしいのが、ポイントと特別賞です。

・スプリント賞
コース上に設定された「スプリントポイント」の通過順位と、フィニッシュでの順位によって与えられるポイントの合計を争う。

・山岳賞
上り区間(主に頂上)に設定された「山岳(KOM:King Of Mountain)ポイント」の通過順位によって獲得したポイントの合計を競う。

・新人賞
25歳以下または23歳以下(大会によって設定が異なる)で、総合タイムが最も良い選手に贈られる。

ステージレースでは各ステージが終わるごとに、個人総合トップ、スプリント賞トップ、山岳賞トップ、新人賞トップにそれぞれ特別なジャージが贈られます。翌ステージでそれを着用して走るのは、大きな名誉とされています!
 


5. 「逃げ」と「集団」の駆け引き

レースの過程では、全員がひとつの集団のままではなく、「逃げ」と「集団」に分かれることがよくあります。「逃げ」とは、「集団」から抜け出した少人数のグループで、「集団」に先行して走り、タイム差を開きます。一方「集団」は、いつでも「逃げ」に追いつける範囲のタイム差にコントロールしながら、体力を温存しつつ距離を消化していきます。

「逃げ」の目的は?
①「集団」に追いつかれずに、「逃げ切り」勝利を狙うため。
②中継映像でクローズアップされやすいので、チームの宣伝のため。
③「集団」にいる選手をアシストするため。「逃げ」の中にチームメイトがいれば、「集団」の選手は無理に「逃げ」に追いつかなくていいので、「集団」の先頭に出て風を受けながら牽引する必要がなくなり、勝負所までチームの体力を温存できるのです。

「集団」の目的は?
勝負所まで「エース」の体力を温存するため。総合優勝を争うエース選手たちは、ほとんどがアシストに守られながら「集団」を走ります。「集団」では、ステージ優勝を狙うチームや、個人総合トップの証であるリーダージャージ着用選手がいるリーダーチームが、先頭を牽引することが多いです。

残りの距離と「逃げ」とのタイム差を計算しつつ、勝負所で一気に加速して「逃げ」をとらえ、最後のスプリント勝負に持ち込む…体力の限界と心理状態を読み合う駆け引きは見もの!


6. 選手の性質=「脚質」

「脚質(きゃくしつ)」とは、どのような走りが得意かという選手の特性を表す用語。代表的な脚質は、「オールラウンダー」「クライマー」「スプリンター」の3つです。

・オールラウンダー
主にステージレースでの総合優勝を目指すようなエース選手。山岳に強く、平坦も無難にこなしながら、タイムトライアルも強い、いわゆる“何でもできる”選手です。

・クライマー
上りに強い選手。体重が軽い方が有利なため、圧倒的に細身の体型が多い印象です。山岳区間が多めのステージ構成の場合は、クライマーがチームのエースになることもあります。

・スプリンター
平地の短い距離を高速域で走れる選手。長い距離をこなした後に、短い距離を時速60~70kmの高スピードで駆け抜け、1着を狙うゴールスプリントの場面で活躍します。平地だけでなく、上り坂でのスプリントが得意な選手もいます。高スピードを出すため、筋肉量が多く体格が大きい選手が多いです。


7. 初観戦ではここに注目!

テレビやYouTubeなど映像を通しての観戦も楽しいのですが、初めての方こそ現地観戦がおすすめです。「マイナビ ツール・ド・九州2023」では、初日の10月6日(金)に「小倉城クリテリウム」が行われます。小倉城周辺の短距離コースを25周するため、選手が走る姿を何度も見ることができ、初めての観戦にピッタリです!

ロードバイクに乗る人なら、同じルートを自分で実際に走ってみると、選手たちのすごさが実感できるでしょう。乗らない人でも、生で見るのと映像で見るのとでは、スピード感や集団が走り抜ける時の風など、感じ方が大きく異なるかと思います。

おすすめは、山岳ポイントなど上り箇所での観戦です。平地より速度を落としているので、選手の表情などもしっかり見ることができます。なお、現地観戦の際には歩きやすい靴で、水分補給などの準備をしておくことをオススメします。

【現地観戦の注意点】
・歩道がない場所で観戦する際は道の端に寄ること
・選手や車が来る間際で道を横断しないこと
・選手に接触しないこと
・コーナーでは内側に入らないこと(選手とぶつかる可能性があり危険です!)
・雨が降っている場合、選手の通過中に傘をささないこと

ルールを守って、安全で楽しい現地観戦を! お気に入りの選手やチームを見つけてくださいね。


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