老舗旅館「柳川 白柳荘」が提案|有明海の一番摘み海苔と地酒の美食体験-1

老舗旅館「柳川 白柳荘」が提案|有明海の一番摘み海苔と地酒の美食体験

日本一の海苔生産量を誇る有明海。その豊かな海が育んだ海苔を主役とした、革新的な会席料理が福岡・柳川の老舗旅館「柳川 白柳荘」で誕生しました。
これまで朝食の脇役という印象だった海苔を、夜の主役へと進化させるべく開発されたメニューの数々。希少な「一番摘み海苔」と、筑後七国(ちくごななこく)の地酒が織りなす極上の美食体験が楽しめます。有明海に隣接した柳川の地で生まれた新しいガストロノミーが、日本料理の新境地を切り拓きます。


美しい庭園の景色を背景に、有明産一番摘み海苔を贅沢に味わう会席料理

水郷・柳川の掘割(水路)に囲まれるように佇む柳川 白柳荘。その歴史は古く、かつて明治時代にラムネ事業を営んでいた富安家の邸宅があった場所です。ダイニング「水路小路 SUZU」の大きな窓の向こうには、当時の池泉回遊式庭園の面影を残しつつ、時代の変化とともに「枯山水」の趣へと再生された美しい庭園が広がっています。


今日の会席コースの主役は、肉でも魚でもなく有明海産の「海苔」です。
本来、日本の旅館において海苔といえば「朝食の定番」であり、白いご飯のお供として親しまれてきました。その常識を覆すため、柳川 白柳荘では専門家と連携し、新たに「有明海苔会席」を開発したのです。
「地元食材と福岡県産酒のマリアージュ」をコンセプトに、柳川周辺の「筑後七国」が誇る銘酒と、有明海の恵みを掛け合わせました。郷土料理の枠を超えたガストロノミー体験が幕を開けます。


「筑後七国」の銘酒と食前酒

海苔会席の料理にあわせられる地酒たち。ペアリングには、専門家を交えた開発会議において、理屈やスペックだけで合わせるのではなく、料理と酒を実際に並べて「ブラインドテイスティング」を実施。「最も早く空になった(=箸と杯が進んだ)組み合わせ」を採用するという、本能的な「旨さ」を追求した選定が行われました。


筑後七国の銘酒が控える中で、食前酒として供されるのは、筑後市・西吉田酒造の「つくし梅酒」です。こちらは、八女市立花町産の梅を、選び抜かれた麦焼酎に2年間漬け込んだ逸品。長期熟成ならではの芳醇な香りと、味わいの深さが、海苔料理への期待感をいっそう高めてくれます。


【旬菜盛】「海苔」の濃厚な旨味を包み込んだ前菜と、北原白秋の愛した酒

海苔の「黒」が一品一品に散りばめられた、目にも鮮やかな「旬菜盛」。「白身魚の錦糸巻」や「ほうれん草の利休和え」といった会席の定番料理も、海苔を合わせることで全く新しい表情を見せてくれます。日本酒とのペアリングを前提として作られた料理は、見た目からは想像もつかないほど濃厚な味わいです。淡白な食材も、海苔のミネラルと磯の香りが加わることで、思わず日本酒が進む「酒肴」へと進化しているのです。

この「海苔尽くし」の幕開けに合わせるお酒は、みやま市瀬高町菊美人酒造の銘酒「菊美人」。柳川出身の詩人・北原白秋が愛し、ラベルの題字も手がけたというこの酒。米の旨味を感じさせながらも、やや辛口でキレの良い後味が海苔の力強い風味を心地よく受け止め、次の一口へと誘います。


【お造り】海苔醤油にあわせる真紅の桜刺し

有明海沿岸の会席料理において、お造りといえば白身魚や季節の鮮魚が並ぶのが一般的ですが、ここで提供されたのは真紅の「馬刺し(桜刺し)」です。
この大胆な食材選びの決め手となったのは、料理長特製の「海苔醤油」。有明海苔を溶かし込んだこの醤油は、磯の香りと濃厚な甘みが特徴です。海苔の凝縮された旨味をしっかりと受け止め、相乗効果を生み出す食材として選ばれたのが、力強い赤身の馬刺しでした。


とろりとした黒い海苔醤油を絡めた馬刺しを、さらにパリッとした食感の焼き海苔で巻いて食すスタイルを提案。口の中で海苔の香ばしさが弾けた直後、馬肉の甘みと醤油のコクが一つに溶け合い、未体験の余韻を残します。

この濃厚な一口に合わせる酒は、八女市・高橋商店の「繁桝(しげます)」。ふくよかな米の旨味を持ちながらも、後口のキレは抜群。口に残る海苔の甘みと馬肉の脂をさらりと洗い流し、次の一切れへと箸を進ませる見事な役割を果たしています。


【強肴】煮付けの定番を「フレンチ」の領域へ。くちぞこの磯辺鳴門巻

有明海沿岸地域の家庭料理として親しまれている「くちぞこ(シタビラメ)」が登場。この地では甘辛い「煮付け」が定番ですが、柳川 白柳荘では淡白で上品な白身を海苔とともに鳴門状に巻き、香ばしく揚げました。そこに「海苔バターソース」を絡めていただく一品です。開発段階の試食会で「ソースにパンを絡めて食べたい」という声が上がったほど、バターのコクと海苔の磯の香りが驚くべき相性を見せます。コースの中でも1、2を争う人気メニューとなっています。

この和製フレンチのような濃厚な一皿に合わせるのは、海外のコンクールでも数々の受賞歴を誇る八女市・喜多屋の「喜多屋」です。酒が、バターの油脂分を優しく包み込み、海苔の風味を損なうこともありません。すべてを洗練された後味へとまとめ上げてくれます。


【炊き合わせ】海老と牛すじ、野菜を包み込む、芳醇な「海苔餡」と昔ながらの純米酒

一般的に「炊き合わせ」といえば、出汁の染みた優しい味わいを想像しますが、この一皿は良い意味でその期待を裏切ります。
ぷりぷりとした車海老の芝煮や、ほろほろの牛すじの角煮、そしてかぶや里芋。そこへ出汁と海苔の風味を凝縮した特製の「海苔餡」がたっぷりと回しかけられます。海苔の風味が魚介だけでなく、肉の脂や旨味とも見事に調和し、一皿としての完璧な一体感を演出してくれます。

この料理に合わせる酒は、八女市黒木町・後藤酒造場の「金襴藤娘(きんらんふじむすめ)」です。昔ながらの実直で落ち着いた味わいが、海苔餡の力強い余韻にそっと寄り添います。


【洋皿】柳川牛と「幻の酒米」の競演

コースのメインを飾るのは、「柳川牛のステーキ」です。柳川 白柳荘の通常の会席料理では、玉ねぎをベースにした「ジャポネソース」で味わうのが定番ですが、この海苔会席では趣向が全く異なります。皿には海苔ソースが敷かれ、付け合わせの野菜にも焼き海苔が散らされた、まさに海苔尽くしの一皿。

この力強い味わいの肉料理に合わせるのは、みやま市高田町・玉水酒造「神力(しんりき)」。一度は途絶えかけ、復活栽培されたことから「幻の酒米」と呼ばれる米「神力」を使用したお酒です。その名の通り、骨太で芯のある味わいが特徴。濃厚な海苔ソースや和牛の脂に負けることなく、その旨味を受け止め、最高の相性を見せてくれます。


【御飯・汁物・漬物】米どころの銀シャリと、老舗「鶴味噌」の安らぎ

コースの締めくくりは、あえて飾り気のない「白ご飯」と「味噌汁」です。
ここにも柳川の風土が息づいています。米どころ筑後平野が育んだ米の甘みと、柳川の「並倉」の風景で知られる老舗「鶴味噌」の合わせ味噌。濃厚な海苔料理と日本酒を堪能した舌を、地元で愛され続ける素朴で優しい旨味が、心地よく整えてくれます。


【水菓子】海苔ソースとアイスの相性

最後を飾るデザートにも、海苔会席らしい遊び心が隠されています。旬のイチゴと共に出てくるアイスには、なんとここでも特製の海苔ソースが添えられています。海苔の塩気がアイスの甘みを絶妙に引き立てる、その意外な相性の良さに驚かされるはず。最後の一口まで海苔の魅力を再発見しながら、特別な会席は幕を閉じます。

※海苔会席で提供される料理とペアリングされるお酒は、季節によって変わることがあります。
※食事のみ、ランチでのご利用も可能です。


朝食の脇役だった海苔を、夜の美食の主役へ

海苔を料理に組み込むと、全体的に黒っぽく仕上がるので写真映えしないかもしれませんが、一口食べればその濃厚な旨味に驚かれるはずです。
かつて、水揚げされたばかりの「生海苔」は傷みやすく、一般の方は乾燥や加工された海苔しか口にできませんでした。しかし近年、特殊な冷凍技術が導入されました。これにより、生海苔の風味を保ったまま保存することが可能になっています。一年中、必要な時に必要な分だけ、獲れたてのおいしさを使用できるようになったのです。
生海苔が使えるようになったことで、従来の「酢の物」や「朝食の焼き海苔」といった和食の枠を超えた料理開発が現実のものとなりました。特に生海苔はペースト状のソースにしやすく、バターやチーズといった乳製品とも抜群の相性を見せます。フレンチやイタリアンといった洋食メニューへの応用ができるようになったことが、今回の会席料理の開発を後押ししてくれました。

有明海の恵みと筑後の銘酒が響き合う、この「海苔会席」。ぜひ柳川の夜に、ゆっくりと時間をかけて味わってください。
(総支配人 富安信一郎さん)


干満差6mが育む「口溶け」の秘密

有明海は、高級海苔の産地として知られ、最大で6mにもなる干満差を利用した「支柱式養殖」が行われています。
この養殖法の最大の特徴は、海面に多数の支柱を立て、網をロープで繋ぐことで、潮が引く干潮時に網を空中に露出させる「干出(かんしゅつ)」を行う点です。満潮時には海苔が栄養分を吸収しながら光合成を活発に行い、干潮時には適度な乾燥を与えて生長を抑制します。これにより、海苔が旨みを蓄えるとともに、口溶けの良い柔らかな品質へと仕上がるのです。


有明海の中でも福岡県海域は、筑後川や矢部川といった一級河川をはじめ、大小さまざまな河川から豊富な栄養分が流れ込みます。そのため、海苔がたっぷりと栄養を吸収でき、特に味の良いものが採れると評価されています。
これらは「福岡有明のり」としてブランド化されおり、豊かな香りと口溶けの良さ、そして舌の上に広がる濃い旨みが特長です。その品質の高さから、海苔本来のおいしさに驚いたという声も多く聞かれます。


「マルホショップ」で旅の余韻を持ち帰る

柳川 白柳荘での「海苔会席」で有明海苔の奥深さに触れたなら、その感動を自宅へも持ち帰りましょう。目指すは、宿から目と鼻の先にある一番摘み海苔専門店「マルホショップ」です。
店内には、その時期最高の「新海苔」をはじめ、贈答用の高級品「金」や「旬」、そして普段使いに重宝する「運草」シリーズまでがずらりと並びます。スーパーではなかなか出会えない「一番摘み」ならではの、衝撃的な口溶け。持ち運びにも軽くておいしい海苔は、柳川のお土産に最適です。

※掲載されている情報は2026年1月の取材時の内容です。最新情報は公式サイト等をご確認ください。


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