【2025】博多三大祭りのひとつ!秋の訪れを告げる放生会(ほうじょうや)-1

【2025】博多三大祭りのひとつ!秋の訪れを告げる放生会(ほうじょうや)

福岡の秋を彩るお祭りといえば、毎年9月に行われる筥崎宮の放生会(ほうじょうや)です。春の「博多どんたく」、夏の「博多祇園山笠」と並んで「博多(福岡)三大祭り」のひとつに数えられる伝統行事で、期間中は約100万人もの人々でにぎわいます。2025年の今年は、2年に1度、西暦の奇数年に斎行される御神幸(お神輿行列)の年。歴史ある神事に触れながら、放生会ならではのユニークな縁起物や露店めぐりを楽しみましょう!


放生会とは

放生会は、「万物の生命をいつくしみ、殺生を戒め、秋の実りに感謝する」という仏教の教えに由来し、捕らえた魚や鳥を自然に放して「すべての命を大切にする」という願いを込めた行事です。筥崎宮の放生会は平安時代に始まったとされ、鎌倉時代には源頼朝や元寇に立ち向かった九州の武士たちも参拝し、戦の勝利や国家の安泰を祈る祭りとしても重視されてきました。

やがて庶民も参加するようになり、五穀豊穣や商売繁盛、家内安全を祈る祭りとして定着。現在では神事と同時に、参道にずらりと並ぶ屋台や縁日でにぎわう、福岡ならではの秋の大祭として親しまれています。

※一般的には「ほうじょう【え】」と読まれることが多い放生会。福岡・筥崎宮では「ほうじょう【や】」と呼んでいます。

開催期間:2025年9月12日(金)~18日(木)
開催地:福岡県福岡市東区箱崎1-22-1 筥崎宮


神事スケジュール

【主な神事スケジュール2025】
9月12日(金)00:00 初日祭並びに神霊移御祭/18:00 お神輿行列お下り(渡御)
9月14日(日)19:00 お神輿行列お上り(還御)
9月15日(月)10:00 放生会大祭(例祭)
9月17日(水)11:00 ふくや放生会供養祈願祭
9月18日(木)14:00 稚児行列・童児育成祈願祭・放生神事

※御神幸(お神輿行列)に先立ち、鐘・太鼓を打ち鳴らしながら町内を歩き、祭りの始まりを告げる「お触れ行事」が行われます。
9月1日(月)・12日(金)・14日(日)いずれも17:00~19:00頃
箱崎校区(筥崎宮周辺~箱崎1、2、3丁目付近)、馬出校区(筥崎宮周辺~馬出5丁目付近)

イベントスケジュール

放生会のお祭りイベントは、境内に設けられた「神賑わい舞台」で奉納されます。さまざまな演芸や和太鼓の演奏をはじめ、フラダンス、武術演武、バンドライブ、書道パフォーマンスなど盛りだくさん!また期間中を通して、福岡地名士のぼんぼり献灯や池坊いけばな展も行われます。

【主な神賑わいスケジュール2025】
9月13日(土)15:00 博多町人文化連盟幕出し
9月13日(土)19:00 博多独楽[博多独楽保存会]
9月13日(土)20:00 和太鼓演奏[博多金獅子太鼓]
9月14日(日)14:00 神楽奉納[折尾神楽]
9月15日(月)12:00 和太鼓演奏[野和太鼓]
9月15日(月)14:00 神楽奉納[豊前神楽]
9月17日(水)19:00 バンドライブ[Raspberry Dream]
 


必見!2年に1度の御神幸(お神輿行列)

放生会のハイライトは、「御神幸(ごじんこう)」と呼ばれるお神輿行列。2年に1度、西暦の奇数年にのみ行われ、福岡市の無形民俗文化財に指定されています。筥崎宮の神さまが神輿に移され、氏子地域を巡って人々に福を分け与える儀式で、3基のお神輿を中心に約500人の氏子の奉仕によって斎行される厳粛な神事です。雅楽の調べに合わせて、古式ゆかしい衣装に身を包んだ神職や巫女、甲冑姿の武者、稚児(ちご)などの行列が進む様子は、まるで華やかな歴史絵巻のよう。夜には提灯の明かりが揺れ、昼とはまた違った幻想的な雰囲気を楽しめます。

お神輿が頓宮から本宮に戻る際には、最後の百数十mを氏子たちが全力で走る「走り込み」が見もの。それまでの厳かな様子とは打って変わり、のぼりや提灯、賽銭箱など各自の道具を持ったまま力いっぱい駆け抜ける様子は迫力満点です!

Column

2025年の今年は、御神幸が見られる年!-1

2025年の今年は、御神幸が見られる年!

2025年の今年は、西暦の奇数年ということで、2年に1度の御神幸が見られる特別な年です。スケジュール・ルートを参考に、ぜひこの機会に見てみてください!

【お下り(渡御)】
9月12日(金)18:00~21:45 筥崎宮~頓宮(約8km、約4時間)
【お上り(還御)】
9月14日(日)19:00~20:10 頓宮~筥崎宮(約2km、約1時間)


御神幸(お神輿行列)のルートと見どころ

【お下り(渡御)】
筥崎宮~頓宮(約8km、約4時間)
9月12日(金)18:00 筥崎宮(本宮)出発→18:30 九大病院前→18:50 千代交差点→19:10 吉塚本町(折り返し)→19:30 JR吉塚駅前→20:10 粕屋総合庁舎前→20:15 筥崎宮前(30分休憩)→20:55 九大バス停前→21:20 箱崎小学校裏門→21:45 頓宮到着

おすすめ見物スポット
・九大病院前:オープンスペースで全体の進行を見渡せます。
・JR吉塚駅前(吉塚本町):折り返し地点として注目され、行列の迫力を間近で感じられます。
・箱崎小学校前:地域の雰囲気を味わいながら観覧できます。
・沿道の住宅前:昔ながらの風習で提灯を灯し、賽銭箱が揺れる独特の光景が見られます。

【お上り(還御)】
頓宮~筥崎宮(約2km、約1時間)
9月14日(日)19:00 頓宮出発→19:45 九大バス停前→20:10 筥崎宮(本宮)到着

おすすめ見物スポット
・走り込みエリア付近(ゴール付近の参道沿い):クライマックスの瞬間を見逃さないベストポジション。
・沿道のカフェや屋台近く(参道):お祭りの雰囲気も楽しみつつ、リラックスして観覧できます。


放生会名物の新生姜と社日餅(やきもち)

新生姜

放生会の期間中、参道を歩くと目につくのが、屋台にずらりと並んだ葉付きの「新生姜」。元々この箱崎地区には生姜農家が多かったこと、また生姜は昔から「身体を清め、邪気を払う」縁起物とされ、特に季節の変わり目に体調を整えて無病息災を願う意味合いが強かったことから、放生会の風物詩ともいえる存在となりました。

江戸時代には「放生会に行ったら必ず新生姜を買う」という習慣が定着し、現在もお土産として持ち帰るのが定番となっています。薬味にはもちろん、漬物や甘酢漬け、ジンジャーシロップなどにして、おいしくいただきましょう!

Column

黒田官兵衛と新生姜の関係-1

黒田家の菩提寺・崇福寺

黒田官兵衛と新生姜の関係

放生会名物の新生姜には、福岡藩祖・黒田官兵衛にまつわるエピソードがあります。官兵衛が有岡城に幽閉されていた時、牢番の加藤重徳という武将が官兵衛の世話をし、敵でありながら官兵衛を励まし続けたそうです。1年後、救出された官兵衛は重徳の子を家臣に取り立て、重徳には筥崎宮の近くの土地を与えて恩に報いました。
官兵衛が放生会を訪れた際、せめてもの手土産にと新生姜を手に現れた重徳の姿に、官兵衛は大変喜んだとか。これがきっかけで、葉付きの新生姜を放生会土産に買って帰る風習が生まれたともいわれています。


社日餅(やきもち)

もうひとつの名物が、ふっくら焼きたての「社日餅(やきもち)」。昔ながらの素朴な味で、白餅とよもぎ餅の2種類があります。外はモチモチ、中は甘さ控えめの粒あんで、連日行列ができるほどの人気。食べ歩きはもちろん、こちらも放生会のお土産の定番です。

「社日(しゃにち)」とは、春分の日・秋分の日に一番近い戊(つちのえ)の日で、五穀豊穣や除災招福、家内安全などを祈るお祭り(社日祭)が行われます。その日に食べる縁起菓子として生まれたのが「社日餅」です。年に2回の貴重な機会をお見逃しなく!


伝統の技が光る!放生会ちゃんぽん・おはじき展示

かつて放生会名物として長年愛されていたのが、「放生会ちゃんぽん」と「放生会おはじき」です。放生会ちゃんぽんは、一般的には「ぽっぴん」「ビードロ」と呼ばれるガラス製の郷土玩具で、放生会では毎年巫女さんが一つひとつ絵付けをする姿もおなじみでした。放生会おはじきは、博多人形師の団体「白彫会(はくちょうかい)」が博多人形の技法を生かして手作りした素焼きのおはじきで、毎年異なるテーマごとにデザインを変え、数量限定で授与されていました。残念ながらどちらも近年は授与を休止・中止していますが、これまでに製作・授与されていた放生会ちゃんぽんと放生会おはじきは期間中、本殿の回廊内で多数展示されています。中にはIKKOさんや長谷川法世さん、西島伊三雄さん、夏樹静子さんなど、福岡ゆかりの著名人の作品も!ぜひ足を運んでください。

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筥崎宮おはじき-1

筥崎宮おはじき

「放生会おはじき」に替わる新しい名物として誕生した「筥崎宮おはじき」。鳥居や楼門、扁額(敵国降伏)、玉せせり、お潮井てぼなど、筥崎宮にゆかりのある全20種類のデザインが揃った縁起物です。これまで同様、「白彫会」が博多人形の伝統を受け継ぎながら製作しています。


露店めぐりを楽しもう!

放生会といえば、筥崎宮の参道いっぱいに並ぶ露店も大きな魅力。長さ約1kmの参道に約500軒もの露店が並び、昼夜問わず大勢の人でにぎわいます。定番のたこ焼きや焼きそば、イカ焼き、福岡ならではの焼鳥や鶏の唐揚げ、ホルモン焼き、韓国グルメのチーズハットグ、ベビーカステラや梅ヶ枝餅といったスイーツまで、食べ歩きだけでお腹いっぱいになれるほど!さらには金魚すくいやヨーヨー釣り、射的などの縁日に、昭和レトロなお化け屋敷や見世物小屋と、エンターテインメントも盛りだくさんです。


交通規制・アクセス情報

放生会へは公共交通機関でお越しください。参道および交差する道路は車両通行禁止です。

【最寄り駅】
・福岡市地下鉄箱崎線「箱崎宮前駅」→徒歩約3分(1番出口)
 ※9月12日(金)はフライデーナイトトレイン(0:16中洲川端行/0:36貝塚行)の運行日です。
・JR鹿児島本線「箱崎駅」→徒歩約8分
 ※放生会期間中(9月12日~18日)は、一部の快速・区間快速が「箱崎駅」に臨時停車します。
・西鉄バス「箱崎」バス停→徒歩約3分
・JR九州バス「箱崎1丁目」バス停→徒歩約2分


駐車場情報

車での参拝は「宮前駐車場」が筥崎宮に最も近く便利ですが、駐車できる台数が限られます。お潮井浜の「臨時駐車場」に駐車すれば、露店を楽しみながら参道を通り、筥崎宮に向かうことができます。期間中は各所に警備員が配置されているので、不明な点は気軽にお尋ねください。

【車でのアクセス】
周辺道路は駐車禁止です。駐車場をご利用ください。
臨時駐車場への進入は、国道3号上り車線からとなります。県道550号線、市道汐井浜線、馬出東浜線などを迂回して、国道3号上り車線に進んでください。
・国道3号香椎方面下り車線から右折しての入場はできません。
・国道3号を横断する際は、横断歩道か歩道橋をご利用ください。


JR臨時停車情報

JR九州では、放生会期間中の9月12日(金)~18日(木)、最寄り駅の「箱崎駅」に一部の快速・区間快速が臨時停車します。
下記JR九州公式サイトに利用したい日付を入力して検索できます。


【同時開催】きんしゃい放生会・ハコフェス2025

きんしゃい放生会

「黒のtoday is Tシャツ」をテーマに、子どもから大人まで楽しめる3日間!箱崎商店街の参加各店舗で、さまざまなワークショップや限定グルメ・グッズの販売を行います。イベントTシャツやトートバッグ、旬のフルーツなどが当たるガラポン抽選会もお楽しみに。

期間:2025年9月12日(金)〜14日(日)15:00~21:00
会場:箱崎商店街きんしゃい通り(ふれあい通り周辺)


ハコフェス2025

毎年放生会と同時期に開催される地域イベント。2025年の今年のテーマは「めでる、ゆづる、ハコる」。 9月13日(土)11:00からは、JR箱崎駅前東口広場でグルメマルシェやハコのわダンス、九州産業大学のかき氷&似顔絵屋台、アイドルライブ、JRバス・ミニSL体験などもあります。まち中を歩き回って、食べて、踊って、一緒に箱崎のまちを盛り上げましょう!

期間:2025年9月12日(金)〜18日(木)
会場:箱崎商店街・まちの各所


いかがでしたか? 1,000年以上の歴史を持つ筥崎宮の放生会は、福岡ならではの伝統文化や町のにぎわいを体験できる秋祭り。夜の提灯に照らされた参道を歩けば、きっと忘れられない旅の思い出になることでしょう。9月に福岡を訪れるなら、ぜひ足を運んでくださいね。


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