甘味と香りに誘われて──筑後南部、やさしいおやつ旅
筑後南部には、気取らず、長く地域の人々に親しまれてきた味を守り続ける店があります。まず立ち寄りたいのは、みやま市で唯一の羊羹専門店「田中羊羹本舗」。昔ながらの製法を大切にしつつ、時代の感性を取り入れた羊羹は、どこか懐かしい味。続いて「チョコレートハウスCOCORO」へ。丁寧に仕上げられたチョコレートやクレープは、旅の合間にほっと一息つくのにぴったり。穏やかな甘さが、体と心を優しく包み込みます。
旅の締めくくりは大牟田の老舗「山田屋茶舗」へ。「普段使いのおいしいお茶」をモットーに、一人ひとりの好みを丁寧に聞きながら選んでくれる一杯は、静かな癒やしの時間を運んでくれます。心ほどける筑後の小さな旅に出かけてみませんか。
田中羊羹本舗|みやまの暮らしに寄り添う、やさしい甘さの羊羹
日本でも珍しい高濃度の炭酸泉が湧く「長田鉱泉場」から徒歩すぐ。田中羊羹本舗は、60年以上も地元の人々に親しまれてきた、みやま市で唯一の羊羹専門店です。暖簾をくぐると、そこには時代に流されない正直でおいしい羊羹づくりへの思い、そして未来を見据えた老舗の努力と工夫がありました。
看板商品は、素材の良さが伝わる煉り羊羹と、外側が少し固い、昔ながらの製法で作った昔羊羹。上品な甘さの中に小豆の風味が感じられ、「やっぱりこれ!」とリピートするお客様も多いのだそうです。お茶うけにはもちろん、贈り物としても喜ばれる人気商品です。
「羊羹=お年寄りのおやつ」というイメージが先行しがちですが、田中羊羹本舗では「若い人にも羊羹を身近に感じてほしい」という思いから新しい挑戦も続けています。もも、みかん、キャラメル、紅茶などの要素を取り入れた洋風羊羹は、コーヒーや紅茶と相性がよく、和菓子の枠を超えた一品。一口サイズの大きさと可愛いパッケージが、お土産としても好評です。
ほかにも猫型羊羹も発売中。地域猫の保護活動の一環として発売をスタートしたもので、売上の一部が保護猫活動に寄付されるとのこと。羊羹から始まるささやかな支援。そんな優しさや温もりも、店の魅力のように思えます。
一口サイズのキューブ型羊羹は、色とりどりで見た目も愛らしく、異なる味を少しずつ楽しみたい方やお土産にぴったり。伝統と遊び心が心地よく同居する「田中羊羹本舗」は、みやま市の静かな日常に、甘くやさしい彩りを添えてくれる存在です。
「長田鉱泉場」の鉱泉が入った「KOGA COLA」も販売中!
■田中羊羹本舗
住所:福岡県みやま市瀬高町長田2624-2
営業時間:10:00〜17:00
電話番号:0942-52-3224
休み:不定休
チョコレートハウスCOCORO|心をほどく、みやまの小さなチョコレート時間
みやま市にある「チョコレートハウスCOCORO」 は、チョコレート好きにはたまらないテイクアウト専門店です。店名の「COCORO」は“心を込めたチョコレートを届けたい”という想いから名付けられ、その名の通り、どの商品からも丁寧なものづくりの姿勢が伝わってきます。
一番人気は「生チョコクレープ」。スイート、抹茶、ブランデーの中から選べ、ココアを練り込んだクレープ生地に、甘さを抑えたホイップ、そして主役となる自家製の生チョコレートがたっぷりトッピングされています。
チョコレート専門店ならではの、なめらかな口どけと奥行きのあるショコラ感は格別。濃厚なのに重くなく、最後のひと口まで飽きさせません。一度味わうとまた食べたくなる“やみつき感”も魅力です。
ショーケースには1つから購入できるトリュフ、棚には高級クーベルチュールチョコレートの瓶詰めと、さすが専門店の品揃え。お菓子作りが好きな方へのお土産や、ちょっと特別な素材を探している方にもぴったりです。
ほかにも、アニマル型のロリポップにくまちゃんクッキーと、食べるのがもったいない可愛い商品も。クレープにトッピングされている生チョコレートは王道の人気商品です。チョコレートのおいしさを生かしたプリンやソフトクリーム、焼き菓子など、バリエーション豊かなラインナップが揃い、訪れるたび新しいお気に入りに出合えることも、お店が人気の理由のひとつ。
自分へのご褒美に、誰かへの贈り物に、ドライブ途中のひと休みに。日常を少しだけ特別にしてくれる、小さな幸せをどうぞ。
■チョコレートハウスCOCORO
住所:福岡県みやま市瀬高町長田755-1
営業時間:10:00〜20:00
電話番号:0944-63-3006
休み:不定休
山田屋茶舗|大牟田の日常に、静かな一杯を
大牟田市を中心に4つの店を構える「山田屋茶舗」。福岡でお茶といえば八女茶を思い浮かべる人も多い中、産地にとらわれないお茶づくりを続けてきた日本茶専門店です。ここで大切にされているのは、「どこのお茶か」ではなく、「どれだけおいしいか」。八女をはじめ、鹿児島、静岡にも提携する茶畑があり、それぞれの茶葉が持つ個性を見極めながら、自社で合組(ブレンド)した「山田屋」ブランドの味を生み出しています。
「ひとつの産地だけでは、みなさんの好みを満たす味にするのは難しい。」そう語る社長の言葉からは、専門店の誇りと長年お茶と向き合ってきたからこその実感が感じられます。香り、旨み、後味のバランスを考え、ほっとひと息つける一杯を目指す姿勢が、山田屋のお茶づくりの根底にあります。
店頭での販売は、今も対面が基本。大牟田で唯一日本茶インストラクターの資格をもつ山田社長や、日本茶アドバイザーのスタッフが常駐し、好みを丁寧に聞き取りながら、おすすめのお茶を選んでくれます。コクのあるもの、甘みを感じるもの、すっきりした後味、やさしくまろやかな口当たり―言葉にしづらい感覚まで汲み取り「これが好きかもしれませんね」と寄り添ってくれるのが嬉しいところ。
「高いお茶がよいお茶ではないと思っています。自分の好みに合って、おいしいと思えることが一番。」
現在、「山田屋茶舗」は市内外に4店舗を展開。その中でも新栄町店では、若い世代にもお茶に親しみ、気軽に立ち寄ってほしいと新たな試みをスタートしています。
店長を務める娘のマイさんが中心となり、お茶を練り込んだ回転焼き「大茶山」や、淹れたてのお茶を楽しめるスタンドを併設。お茶と触れ合う接点として親しまれています。さらに2カ月に一度は「お茶屋deマルシェ」を開催し、大牟田のさまざまなお店と手を取り合いながら、人が集まり、笑顔が生まれる場を育てています。
お茶は、淹れ方ひとつで驚くほどおいしくなる飲み物。だからこそ、お茶のことをもっと知って欲しいし、皆さんに楽しんでもらいたい、と山田社長。専門店として町に根ざしながら、「山田屋茶舗」は今日も大牟田の日常に静かな一服の時間を届けています。
■山田屋茶舗
住所:福岡県大牟田市新栄町3-1
営業時間:10:00〜17:30
電話番号:0944-53-0050
定休日:毎週日曜・臨時休業あり(インスタグラムにて更新)
筑後南部には日常の延長線上にありながら、立ち止まって味わいたくなる時間があります。甘味と香りに誘われながら、この土地ならではの穏やかな風景とともに、筑後のやさしさを感じてみてはいかがでしょうか。
※掲載されている情報は2026年2月時点のものです。お出かけ前にはWebサイトや電話で最新情報をご確認ください。