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ホーム の中の季節のおススメ情報 の中の朝倉の三連水車―筑後川の恵みを受け、田畑を潤す三連水車

朝倉の三連水車

花火大会 夏の三大祭り

干ばつから朝倉の農業を支える堀川の誕生

筑後川の中流域に肥沃な水田地帯を広げる朝倉町が、かつては谷間から湧き出る水で水田を耕すばかりの傾斜の激しい砂地が広がる原野だったとは信じがたい。農民たちは、たびたび起こる干ばつに苦しめられていた。干ばつの被害を防ぎ安定した生活を確保するためには開田こそが必要とされ、何をおいても筑後川の水を引き入れるよりほかに方法はなかった。

一六六二~三年(寛文二~三年)に起きた干ばつを契機に、筑後川から水を引くための大工事が行われ、翌年には百五十ヘクタールの水田を潤す「堀川用水」が完成する。だが水田面積の増加にともなって、堀川用水のかんがい能力は限界に達していく。

一七二二年(享保七年年)、たびたびの洪水で取水口に土砂が堆積し、再び干ばつの害を受けるようになった。そこで、新たな取水口として現在位置(水神社境内の地下)の岩盤をくり貫き、長さ二十m、内法一.五m四方のトンネルを掘り、門扉一枚で開閉自在の切貫水門に改築された。さらに一七六〇年(宝暦十年)から約五年間をかけて新堀川掘削工事を重ね、堀川用水は拡張の歴史を繰り広げる。


自然の力と人の知恵 強力な田んぼのSL

しかし、堀川用水の周辺は勾配があり、そのままでは山側の農地は水を得ることができない。そのため、この水車群が考案されたという。堀川用水の水面より高く持ち上げることで、山側の農地に水を送ったのだ。蒸気も電気もエンジンもなかった二百五十年前の江戸時代。流れる水を動力に、その力で自動的にくみ上げるこの水車群は、まさに先人たちの英知の結晶といえる。

現在、朝倉水車群には菱野(ひしの)水車と呼ばれる三連水車が一基と、三島(みしま)水車、久重(ひさしげ)水車と呼ばれる二連水車が二基稼働している。すでに一七六〇年代にはあったらしく、一七八九年(寛政元年)に二連だったものが増設され三連になったという記録が残っているそうだ。この三連水車のみで、毎分約六トンという迫力ある揚水量を誇っている。

当時のかんがい技術を結集した三つの水車は、その水の流れを絶やすことなく、現代まで三十五ヘクタールの農地を潤しているのだから凄い。ゴットンゴットンと音をたてながら「田んぼのSL」として親しまれている。

平成二年には、「堀川用水路水車群」として国の史跡文化財に指定された。

耕作時期に訪ねよう!
三連水車は稼働する夏の風物詩

三連水車のいちばん大きな水車の高さは4.8m。二階建ての住宅ほどの大きさに驚く。松・竹・樫・杉など良質の木材を使って、五年ごとに作り替えられ、職人さんの手作りの技が息づいている。実際に使われているため、その回る姿は水稲の作付け期間(6月中旬~10月初旬)に見ることができる。また、水稲作付け期間の一時期だけ水を落とす中干し期間(7月下旬~8月初旬)というのがあって、この約1週間は小休止する。

あさくらづくしの癒しの里 三連水車の里あさくら

水車のモニュメントが目印の三連水車の里あさくらは、朝倉市の魅力が凝縮された旬のスポット。耳納連山を望む広々とした公園内に、水遊びができる池や花畑があり、農産物直売所には、名高い特産品の博多万能ねぎをはじめ、野菜、果物、手作りの菓子や地酒、味噌など筑後川がもたらす地味豊かな食材が並ぶ。レストランも充実し、美しい景色を眺めながらのんびりした時間が楽しめる。

【三連水車の里あさくら】
場所/福岡県朝倉市山田2192-1
TEL:0946-52-9300

spot data
【朝倉の三連水車】
場所/福岡県朝倉市 TEL:0946-24-6758(朝倉市観光協会)
アクセス/大分道朝倉ICから車で10分。甘木駅からバスで20分、徒歩で25分
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