福津市の魅力を再発見!「津屋崎千軒まち歩きツアー」参加レポート
3つの国指定文化財を持つ、福岡県福津市の津屋崎千軒(つやざきせんげん)。2025年12月、その魅力を深掘りするために企画されたまち歩きモニターツアー「津屋崎千軒クロニクル~海運で栄えたまちが語り継ぐ物語~3つの文化財・炭鉱王たちが愛した街が奏でる至極の時間体験」に参加してきました。2024年に国指定重要文化財に指定された「豊村酒造」でのお祝い膳をメインに、歴史的な建物や文化財を巡り、食事とまち歩きを同時に楽しめるツアーの模様をレポートします!
観光案内所「津屋崎千軒なごみ」を出発!
風情あふれるまち歩き
今回のツアーでは、津屋崎千軒の3つの文化財、「藍の家」「豊村酒造旧醸造所」「旧玉乃井旅館」をメインに訪れ、各スポットまでは、まち歩きガイドの方の案内で歩いて行きます。印象的だったのは、町の落ち着いた雰囲気。新しく整備された道路もありながら、昔の建築物が残った町並みで、とても居心地の良いものでした。
福津市の観光スポットといえば宮地嶽神社が有名ですが、こちらはまだ穴場のせいかツアー参加者以外の人通りが少なく、ゆっくり散策できました。海のすぐ近くなので、歩きながら建物と建物の間から海が見える構図が素敵!澄んだ空気の中、まち歩きだけでも津屋崎千軒の魅力を堪能できました。
藍の家(国登録有形文化財)
最初に訪れたのは、国の有形文化財に登録されている「藍の家」。火事の延焼を抑えるための「うだつ」があったり、風通しをよくするために正面の格子が外れるようになっていたりと、現在では建築するのが難しい建物が残ってます。中庭は隣接する豊村酒造の壁に囲まれており、風による被害を抑えています。縁側にもある仕掛けがありました。雨戸をおさめた戸袋をそのまま90度回転させて収納します。縁側の先の少し離れた場所にあるお手洗いまで雨戸を閉めたまま行けるように、戸袋に小さなドアが付いているのがとても斬新でした。この説明を聞くと、外国人観光客はいつも「Amazing!」と驚かれるようです。
全て実演して説明していただきましたが、細かい工夫が至る所に施され、現在の日本の家では見ることのできない興味深いものばかりでした。正面玄関のしめ縄飾りにも注目を。漁師町である津屋崎千軒周辺では、漁は、常に危険と隣り合わせで、何が起こるか分からないということから、一年中しめ縄を飾って無事を祈っているそうです。
豊村酒造旧醸造場(国指定重要文化財)
醸造所は、現在はもう使われておらず、店舗のみとなっていますが、博多町家の様式を伝える貴重な建物です。戦争で博多の町並みは無くなりましたが、津屋崎千軒を含むこの一帯は被害を受けず、当時の建物が残りました。正面の壁が黒くなっているのは、戦時中、空襲の標的になるのを避けるために、白い壁にコールタールを塗ったという歴史があります。
中に入ると、天井に大きな梁があります。「見得の梁(みえのはり)」と呼ばれるもので、わざと吹き抜けにして巨大な梁を見せ、訪れる人を驚かせていたそうです。酒造りには多くの工程があるので建物内はとても広く、奥までいろいろな作業場があります。24時間かけて酒と酒粕に分ける圧縮機や、高さ約21mの煙突など、見どころ満載。大きな2つの酒樽は中に入って写真を撮ることができ、近くで見ると結構迫力がありました。
自慢のお酒と味わうお祝い膳
醸造所の見学後は、豊村家に伝わる伝統の祝膳を、普段は入ることのできないお座敷でいただきました。料理とともに、豊村酒造のお酒3種の飲み比べが楽しめます。参加者によって好みもさまざまですが、お酒好きな方にとっては「原酒」が一番で、料理と一緒に飲むなら「純米吟醸」が良いという感想も聞かれました。おかわりができるのも良いですね。甘酒と煎茶も提供されるので、日本酒をあまり飲めない私も美味しくいただけました。
料理や漬物はすべて、お酒に合うよう酒粕に漬けて調理されています。祝い膳らしい雑煮や郷土料理のがめ煮(筑前煮)、お餅入りの黒豆汁など、一つ一つゆっくり味わえる趣向となっています。お座敷のくつろいだ雰囲気も相まって、「お正月感」に浸ることができました。
旧玉乃井旅館(国登録有形文化財)
最後は築120年以上の木造建築「玉乃井旅館」です。それだけでも十分ノスタルジックな雰囲気ですが、2階に上がった瞬間、目の前に海の絶景が広がります。旅館の閉館後も建物を残したいという地元の人々の思いが強く、さまざまな方たちの協力を得て、修繕を繰り返しているそうです。手作りでビールを醸す「ミチクサ醸造所」がテナントとして入っているほか、レンタルスペースでの展示会や、1階ロビーで月に1回「BAR玉乃井」が開催されています。
そんな魅力溢れる旧玉乃井旅館では、かつて提供されていた「タコツボ料理」と「玉乃井オリジナルビール」を味わいながら、津屋崎で生まれ育った語り部のお話を聞くことできました。福津市を訪れたことも初めてでしたが、当時の津屋崎の様子や時代の移り変わりはとても興味深く、すっかり聞き入ってしまいました。時間の流れがとてもゆっくりに感じ、「何時間でも過ごせる」「リラックスできる」と言った声があがっていました。落ち着いた雰囲気を感じながら、部屋をじっくり見ていると、角の窓枠に面白い発見が。太陽の光が窓に青く反射している部分があるのですが、これ、良く見ると、外の建物の景色が逆さまになって写っていて綺麗です。訪れる機会があった際は、ぜひ見つけてみてください。全体的な雰囲気が写真ではなかなか伝わりづらいかもしれませんが、この建物が持つ独特の雰囲気、癒やし効果は、話を聞くのに最適な環境だと感じました。
まとめ
福津市の新たなコンテンツ作成にあたり企画されたモニターツアー、いかがでしたか?津屋崎千軒は地元の人々の生活をより身近に感じられ、昔の穏やかな時間が今も流れているような町でした。散策するだけでも観光になる魅力がいっぱいで、今後さまざまなツアーやPRイベントが企画されていくと思います。
宮地嶽神社や海岸沿いの観光スポットを訪れた際には、ぜひ津屋崎千軒にも足をのばして、癒やしの時間を過ごしてみませんか。