【2024年】嘉穂劇場の今-1

【2024年】嘉穂劇場の今

嘉穂劇場は、江戸時代の歌舞伎様式を伝える木造の芝居小屋です。昭和6年(1931年)、福岡県の中央に位置する飯塚市で開場しました。この嘉穂劇場は、筑豊の歴史とそこで生きてきた人々の暮らしや文化を今に伝える貴重な文化財です。

遠賀川流域一帯には、明治期から昭和初期にかけて、約50もの劇場(芝居小屋)が開設されましたが、現在は、嘉穂劇場だけが残っています。嘉穂劇場は、国内に現存する芝居小屋の中では最も規模が大きく、時代の変化を受けつつも90年もの間、形を変えることなく運営が継続された唯一の劇場でした。

劇場内には当時の意匠や舞台機構がそのまま残されています。舞台には今も人力で動かす「廻り舞台」や「迫り(セリ)」が備えられ、観客席は日本の伝統的な畳敷きの「桝席」、「桟敷席」からなります。花道が2本常設されているのも芝居小屋としては珍しい構造です。
平成18年(2006年)に国登録有形文化財となったのちも運営は続けられました。


しかし、令和元年(2019年)末に全世界で発生した新型コロナの影響により、嘉穂劇場は経営困難となり、令和3年(2021年)5月に運営母体が解散し、劇場は休館。その後、令和3年(2021年)9月に飯塚市に贈与されました。

時代を超えて今に残る嘉穂劇場が、文化芸術や観光の振興に欠かせない施設として長く愛されていくよう、現在、飯塚市では再開に向けて建物の改修や新たな活用策などについて検討が重ねられています。


現在の嘉穂劇場

嘉穂劇場は、かつての運営母体から飯塚市に贈与されましたが、施設や設備の老朽化が進んでおり、再開のためにはその対策が急がれます。

また、新たに公共施設となった嘉穂劇場を様々な形で多くの皆様が利用できるよう、施設の改修も検討されており、嘉穂劇場は現在休館しています。
劇場ファンの方にはご迷惑をおかけしますが、今しばらくお待ちくださいますようお願いいたします。


これからの嘉穂劇場について考える市民ワークショップ

さまざまなアイデアを出しながら、嘉穂劇場の活用を考えるため、市民ワークショップが開催されました。
「市民により身近な劇場となり、これからも長く愛される劇場となるためにはどう活用すればよいか」、「どうすれば市外の人々へ魅力を伝えることができるか」など、様々なテーマから「これからの嘉穂劇場について」を考え、話し合う場となりました。

市民ワークショップには、毎回、各地から嘉穂劇場に関心のある方々が集まり、にぎやかに意見交換が行われました。市民ワークショップで出た意見は、現在策定が進められている「嘉穂劇場施設改修・管理運営計画」に反映される予定です。

休館が続く嘉穂劇場ですが、再開を心待ちにしてくださる方々のために、さまざまな取り組みが続けられています。

有識者による会議

令和5年(2023年)7月から「(第2期)飯塚市文化施設活用検討委員会」が開催されています。この委員会では、嘉穂劇場が現代の劇場として演者や市民をはじめとする多くの方々に利用される施設となるように、改修・整備を行うための方針や、今後、飯塚市の施設として管理運営していくための方針(「嘉穂劇場施設改修・管理運営計画」)について協議検討が行われています。


3Dパノラマビュー

休館が続いている嘉穂劇場ですが、劇場内部の様子をこの3Dパノラマビューをとおしてご覧いただくことができます。インターネットでの見学体験をお楽しみください。
 


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