「重要無形文化財久留米絣」新作展

我が国では、演劇、音楽、工芸技術などの無形の「わざ」を保存・活用の対象として無形文化財に指定しています。無形文化財は人間の「わざ」そのものであるために、その「わざ」を体得している保持者または保持団体を無形文化財として認定しています。
そのなかでも歴史上または芸術上価値の高い、特に重要なものが「重要無形文化財」です。
久留米絣は昭和32（1957）年に重要無形文化財に指定され、昭和51（1976）年の法改正により、「重要無形文化財久留米絣技術保持者会」が保持団体に認定されました。
重要無形文化財の久留米絣は、あらかじめ模様にしたがって藍染めした糸をタテ糸とヨコ糸両方に用いて、織りながら柄を合わせていきます。制作には緻密な計算と高度な技術が必要で、大変な手間と時間がかかります。そうして織り上げられた久留米絣は、藍と白が織りなす深い味わいのある、日本を代表する芸術的な織物です。
今回、「重要無形文化財久留米絣技術保持者会」会員が令和６（2024）年度に制作した新作の反物を中心に、明治時代から現代にかけての久留米絣の名品を展示します。
また、会場では国の重要無形文化財に指定された技術を用いて制作される、久留米絣の制作工程記録映画（約90分）も上映します。