【サイクル福岡】美しい未来へ残したい景観がここにある。~幸せのヒント探し「茶りだー」が行く 石橋と城下町歴史探訪ライド~-1

【サイクル福岡】美しい未来へ残したい景観がここにある。~幸せのヒント探し「茶りだー」が行く 石橋と城下町歴史探訪ライド~

福岡県の中南部に位置するクラフトの町・八女市へ。幸せのヒントや未来に残したい風景を探しに、環境に配慮して自転車で旅をします。今回は、熊本の通潤橋を手掛けた石職人の名匠・橋本勘五郎が生涯最後に架けた石橋を訪ねます。
ここは平成21年(2009年)に八女市に編入合併した上陽町。町のほとんどが耳納連山(みのうれんざん)に重なる山間地で、石橋が数多く残る地域です。コードネームは「ひ・ふ・み・よ橋」と「茶りだー」。なぜこのような山村に豪華な石橋を架ける財力があったのか、その歴史に迫ります。
また、九州北部豪雨被害の後、復旧した道をロードバイクで走るトレイン走行も軽快です。石橋の側に生まれた石積みは、予期せぬ水害に備えて四連アーチの石橋を守るべき構造物。霧が出ると川に浮き上がるラピュタにも似た天空の城みたいな石群で、現代の素晴らしい技術で蘇った護岸は石橋の町の景観にとても合っています。
合わせて八女の城下町を訪ねながら、暮らしから生まれた手仕事や技法とお茶の魅力にも迫ってみようと思います。

八女観光公式YouTube
https://youtu.be/xVDE9WJwKSU?si=9pnNkCMIU0_DUMUx


久留米のシンボル、高良山

JR久留米駅からスタートし、まずは久留米のシンボルマウンテン・高良山にある高良大社で旅の安全祈願を行います。ここは筑後国一の宮。あの天下人「豊臣秀吉」が九州征伐で陣をはった場所でもあり、南北朝時代からも高良山を制するものは、九州を制するみたいな重要な拠点でもありました。そんな高良山から見渡す久留米の街並みは絶景です。


石橋の郷・上陽町へ

高良山を下山して南へ南下し、陸上自衛隊から藤山線を走り八女郡広川町へ。田園風景からフルーツ街道となり、秋にはイチョウの鮮やかな落ち葉の絨毯が有名な景観も。交通量も少なく自転車にとってはとても快適です。道沿いにある茶屋では濃厚な抹茶やほうじ茶ソフトなど、八女茶の本場ならでは濃厚な味わいに舌鼓を打つこと間違いなしです。
続いて2km程のぼり坂で上陽町へ入ります。山から見下ろす小さな集落がどことなく懐かしい日本の風景と重なります。ここは“石橋とホタルの里”と呼ばれる八女市上陽町。石橋とホタルで有名でもあり、現在、ハワイ空港に名前を刻むダニエル・イノウエさんの故郷でもあります。
サイクリング中、四季折々の景色がいくつもの美しい石橋と調和して訪れる私たちの目を楽しませてくれます。明治から昭和初期にかけて作られたこれらの石橋は「ひ・ふ・み・よ橋」と呼ばれ、上流から下流にかけてアーチの形が1つ(洗玉橋)、2つ(寄口橋)、3つ(大瀬橋)、4つ(宮ケ原橋)と増えていくことから地域の人々に「ひふみよ橋」と呼ばれたらしいです。それぞれの石組はパズルのように積まれた「乱れ積み」や「布積み」の工法で、アーチのRの角度が美しいものばかり。特にアーチが1つの洗玉橋は、戦国武将・加藤清正の石職人集団のトップに君臨した「橋本勘五郎」が生涯最後に造ったとされる石橋。どの角度から見ても一寸の狂いもない正に芸術的な建造物です。さすが石の匠。洗玉橋が架かる星野川も澄んだ青さが美しく、使われた石も薄いエメラルドグリーンとスカイブルーのような色合いが特徴です。
アーチが2つの寄口橋も、春には満開の桜と石橋、夏は星野川が天然のプールとなり家族でにぎわいます。秋は紅葉に染まった木々と凛とした石橋の姿が心を癒してくれます。隣接するダニエルイノウエミュージアムは無料で見学でき、地場のお土産コーナーやウッドデッキもあります。もちろんサイクルスタンドも常設しています。


四連アーチ眼鏡橋の復旧

上陽町の最大四連アーチの眼鏡橋は宮ケ原橋。大正11年(1922年)に豊島虎次郎により建築され、清流・星野川の景観にとても溶け込んでいます。「天空の城ラピュタの城」を連想する美しい石の構造物と水害から復旧・進化した護岸の調和に未来の文化遺産を感じます。
九州北部豪雨で壊滅的な被害にあいましたが、石橋には地元の八女石を使って元の姿を取り戻し、加えて地域の安全性と利便性を図りながら分水路を設けて進化した姿で復旧。100年〜1000年経ったら文化遺産になると思えるほど、近代日本の技術がちりばめられた景観が実に美しいのです。
この地域には、この石橋を作った職人が当時からそのまま住まれ、石灯籠や庭石などの石職人の方々が今も数件おられるようです。


バルビゾンの道

ツールド九州のコースにもなった「バビルソンの道」を軽快に走ります。ここは国鉄矢部戦の廃線跡を生かした、筑後市までほぼ直線の道。世界的洋画家の坂本繁次郎が留学したフランスで魅了された自然豊かな風景に、八女の穏やかな山々の姿が似ていたことから「東洋のバビルソン」と呼び、この地にアトリエを築いた経緯があります。晩年を八女で過ごした坂本繁次郎にちなみ、この名前が付けられています。
昨年から開催されたサイクルロードレース「ツール・ド・九州 福岡ステージ」では、12市町村をまたぐラインレースでした。チームの駆け引きが織りなす躍動感あふれるレースは、沿道からの応援と圧巻の走りが今も心に焼き付いています。


八女・白壁の町並み

バビルソンの道から福島の城下町へ。八女伝統工芸館や古い町並みを自転車で散策すると、現代では宮大工でしか建築できないような白壁の町並みが現れます。美しい歴史ある町並みは、ホッとするどこか懐かしい気持ちになれます。
また、伝統工芸館では手すき和紙体験もできて、日本の伝統工芸に触れることができます。


旅を振り返るひと時

古い町並みを見た後は八女茶スィーツを堪能する「お茶村」へ移動します。茶畑を眺めながらお茶の極上スィーツに舌鼓。至福の瞬間が訪れます。お腹が満たされた後は、夕陽に照らされた茶畑を眺めながらスタート地点の久留米市に戻ります。久留米に着いたら、ラーメンや筑後うどん、焼き鳥もいいですね。お茶の買い物ならJR久留米駅にも「牛島製茶」でお買い物ができます。
今回の旅はいかがでしたでしょうか。口の中で広がる濃厚で甘い本物のお茶や石職人が築いた石造りの景観、高良山から望む絶景、筑後エリアには魅力がまだまだたくさんあります。また遊びに来てください。


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